ベテラン・アーティストが指導を提唱

ディレッタント 002メンターシップの復活

漫画を読むオオハシ

生活のためにマンガを作るのは難しい。技術の基本を身につけるには何年もかかるし、繊細な表現力を身につけるにはさらに時間がかかる。そしてその過程で、小規模なビジネスの運営方法も学ぶ必要がある。これはまったく別のことだが、同様に重要なスキルセットだ。

スティーブ・リーバーの肖像

このようなことを教える学校はある。ここアメリカには、SVA、SCAD、MCAD、CCS、そして私の母校であるクバート・スクールなどがある。また、イラストレーションやスタジオ・アート・プログラムの一環として、マンガ制作のクラスを設けている大学もある。

しかし、若いアーティストの多くは、学生ローンで多額の借金を背負うような状況にはなく、教科書やTumblrのプロ向けTips、YouTubeのハウツー動画でやりくりするしかない。また、それなりにしっかりした基礎を持って学校を卒業したものの、現実の状況下での作品制作やビジネス運営に多くの指導を必要とする者もいる。

アートスクールを卒業したばかりの漫画家、サリーを想像してみてほしい。彼女の最初の仕事につながるポートフォリオは、可能な限り最高の条件の下で作成された。彼女はその瞬間を迎えるまで、そのページを制作するために全人生を捧げてきたし、先生たちは彼女が避けられない新人のミスを修正するのを助けてくれた。しかし、その最初の仕事は、可能な限り最悪の条件の下で作られる。締め切りは厳しい。何ヶ月も何ヶ月もかけて6ページを完璧に仕上げる代わりに、彼女は5日間で描かなければならない。サリーの担任教師は彼女にアドバイスをしてくれるわけではない。脚本には今まで彼女が遭遇したことのない問題がある。しかも、アルバイトをしながら描かなければならない。

サリーは、提示された契約書もよくわからない。契約書を弁護士に見せるのがいい考えだと知っているが、弁護士に電話したところ、この仕事の報酬は弁護士の1時間の相談料よりも安いことがわかった。彼女はその仕事が必要であることを確信しており、その紙にサインするつもりだが、自分が何に同意しているのかさえわからない。

若いアーティストたちは、キャリアの初期に常にこの種の状況に直面する。自分の能力と市場の両方を理解している経験豊富なアドバイザーがいなければ、問題にぶつかる可能性が高い。そこで役に立つのが、メンターとアシスタントの関係だ。

サリーがザックに弟子入りしたとしよう。ザックはこの道数十年のプロの漫画家だ。週に2回、彼女はザックのスタジオの空いているテーブルで仕事をする。ザックはこのオファーを見て、マンガの作り方を理解しているクライアントではないことを示す赤信号を見つける。彼はクライアントに尋ねるべきことを提案し、クライアントがする不合理な要求に対して合理的な代替案を提案する。そして、クライアントとサリーが合意に達した後、サリーは彼の経験を生かし、脚本におけるストーリーテリングの難題を解決する。

ザックに何の得があるのか?なぜ実績のあるプロが、最終的な競争相手となる選手の育成を手伝わなければならないのか?

見習いとは、商売のことである。サリーは、リサーチ、背景、ページの消去、ボードのトリミング、ファイルの準備、平積み、ソーシャルメディア、eBayのバイヤーのためのパッケージの包装などを手伝っている。ザックにはいつも時間がない。ザックは、アート、クラフト、プロフェッショナルな仕事についてサリーの質問に答え、指導している。

新人アーティストが、どのような期待が妥当で、何が妥当でないか、そして自分の時間の価値を理解すれば、誰にとってもより良いプロフェッショナルな環境が生まれる。


スティーブ・リーバーの『Dilletante』は毎月第2 火曜日にToucanで 放送される!

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